およそ9000件にも上る正倉院宝物の中から毎年60件前後が公開される「第76回 正倉院展」が奈良国立博物館にて2024年10月26日から開催

およそ9000件にも上る正倉院宝物の中から毎年60件前後が公開される「第76回 正倉院展」が奈良国立博物館にて2024年10月26日から開催

およそ9000件にも上る正倉院宝物の中から毎年60件前後が公開され、今年で76回目の開催となる「第76回 正倉院展」が奈良国立博物館にて2024年10月26日(土)から11月11日(月)まで開催します。正倉院宝物は、東大寺の重要な資財を保管する倉であった正倉院正倉に伝来した宝物群。調度や服飾具、仏具、文書といった正倉院宝物の全体像がうかがえるラインナップで、宝物の魅力を余すことなく伝えます。

※以下、画像とテキストは、情報提供を受けてプレスリリースから引用

「第76回 正倉院展」概要

古都・奈良の秋を彩る正倉院展が、今年も開催される運びとなりました。昭和21年(1946)の初回から数え、今年で実に76回目を迎えます。正倉院宝物は、奈良時代にわが国を治めた聖武天皇(しょうむてんのう)ご遺愛の品々を中心とした、天平文化の粋(すい)を今に伝える貴重な宝物群です。これらの宝物は、かつて東大寺の重要な資財を保管する倉であった正倉院正倉(しょうそういんしょうそう)に納められ、勅封(ちょくふう)などの厳重な管理のもと、今日まで守り伝えられてきました。

今年も調度品や服飾具、仏具、文書(もんじょ)といった、正倉院宝物の全体像をうかがえる品々が会場を彩ります。なかでも、美しい錦張(にしきば)りの肘おき「紫地鳳形錦御軾」(むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく)(北倉47)は、聖武天皇がお使いになった品として格別の意義を有する至宝です。また、「碧瑠璃小尺」(へきるりのしょうしゃく)(中倉111)や「深緑瑠璃魚形」(ふかみどりるりのうおがた)(中倉128)といった色ガラス製の装身具のほか、金と緑釉(りょくゆう)の対比が華やかな「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡」(おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう)(南倉70)など、色とりどりのガラスを用いた宝物の数々が私たちの目を楽しませてくれます。そのほか、「沈香木画箱」(じんこうもくがのはこ)(中倉142)や「紫檀金銀絵書几」(したんきんぎんえのしょき)(南倉174)といった、奈良時代の高度な工芸技術を誇る品々にも目を見張ることでしょう。さらに今年は、宮内庁正倉院事務所が製作した宝物の再現模造品も多数展示され、これらとあわせてご覧いただくことで、宝物により深く親しんでいただける内容となっています。多彩なラインナップで開催される今年の正倉院展を、ぜひご堪能ください。

正倉院展とは?

正倉院宝庫は毎年秋に勅封が解かれ、宝物の点検が行われます。その時期に合わせて宝物を一般に公開する正倉院展が開催されます。出陳宝物の選定は宝物の全体像が分かるように配慮しつつ、最新の研究成果が得られた品や話題性のある品が選ばれています。正倉院展は昭和21年(1946)に第1回が奈良帝室博物館(現•奈良国立博物館)で開催され、その後東京で行われた3回(昭和24年、34年、56年)を除き、毎年、奈良で開催されています。

正倉院宝庫物とは?

正倉院宝庫には様々な経緯で宝物が納められたと考えられますが、大きくは、①天平勝宝8歳(756)6月21日以降5回にわたり、光明皇后によって東大寺の大仏に献納された聖武天皇のご遺愛品、②東大寺での法要にまつわる品々、③造東大寺司(東大寺の造営に当たった機関)に関連する品々に分類することができます。他に宮中儀式具や武器・武具なども残っており、宝物の入庫には様々ないきさつがあったことが推定されます。

出陳宝物

【出陳宝物】
57件(北倉10件、中倉22件、南倉22件、聖語蔵3件) うち11件は初出陳(模造を含む)

【主な出陳宝物】
北倉35 新羅琴 附 琴柱(しらぎごと つけたり ことじ)〔朝鮮半島由来の絃楽器〕 1張
北倉42 花鳥背円鏡 附 帯、紙箋(かちょうはいのえんきょう つけたり おび、しせん)〔花鳥文様の鏡〕 1面
北倉44 鹿草木夾纈屛風(しかくさききょうけちのびょうぶ)〔板じめ染めの屛風〕 1扇
北倉47 紫地鳳形錦御軾(むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく)〔錦張りの肘おき〕 1枚
北倉150 花氈(かせん)〔花模様のフェルトの敷物〕 1床
中倉16 続修正倉院古文書(ぞくしゅうしょうそういんこもんじょ)
    第三十四巻〔造仏所作物帳(ぞうぶつしょさくもつちょう)〕
    〔興福寺西金堂(こうふくじさいこんどう)の造営に関する文書〕 1巻
中倉51  紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)〔染め象牙のものさし〕 1枚
中倉111、112 碧瑠璃小尺(へきるりのしょうしゃく)、黄瑠璃小尺(きるりのしょうしゃく)〔ガラス製のものさし形飾り〕 各1枚〔組紐結束〕
中倉128 深緑瑠璃魚形(ふかみどりるりのうおがた)、浅緑瑠璃魚形(あさみどりるりのうおがた)、碧瑠璃魚形(へきるりのうおがた)、黄瑠璃魚形(きるりのうおがた)〔ガラス製の魚形飾り〕 各1枚
中倉142 沈香木画箱(じんこうもくがのはこ)〔寄木細工の箱〕 1合
中倉155 緑地彩絵箱(みどりじさいえのはこ)〔花文様の箱〕 1合
南倉1 伎楽面 酔胡従(ぎがくめん すいこじゅう)〔楽舞用の面〕 1面
南倉70 黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう)〔七宝細工の鏡〕 1面
南倉174 紫檀金銀絵書几(したんきんぎんえのしょき)〔巻物を広げる台〕 1基
南倉174 紫檀塔残欠(したんのとうざんけつ)〔小塔の部材〕 一括

出陳宝物解説(一部)

※単位は、寸法=センチメートル、重量=グラム※写真提供 宮内庁正倉院事務所

花鳥背円鏡かちょうはいのえんきょう つけたり おび紙箋しせん(花鳥文様の鏡) 1面 北倉42

唐からの舶載品はくさいひんとみられる聖武天皇ゆかりの大型の円形鏡。
●前回出陳年=平成24年(2012)
●径31.7/縁厚0.8/重4061

白銅はくどう(錫を多く含む青銅)鋳造の大型の円形鏡。『国家珍宝帳こっかちんぽうちょう』(聖武天皇しょうむてんのうの四十九日に光明皇后こうみょうこうごうが大仏に献納した品々の目録)に記載された聖武天皇ゆかりの鏡2 0 面のうちのひとつ。鏡背には唐花からはな瑞雲ずいうん飛鳥ひちょうといった文様もんようが浮き彫り風に鋳出されており、その繊細な表現は、当時一級の品としての格調の高さを示している。成分分析によって、中国・とう代の銅鏡と金属の組成が近いことがわかり、唐からの舶載品はくさいひんとみられている。

北倉花鳥背円鏡附帯、紙箋

北倉 花鳥背円鏡附 帯、紙箋

沈香木画箱じんこうもくがのはこ(寄木細工の箱) 1合 中倉142

ほとけへの捧げものを納めたと考えられる、舶来の高級な素材を用いた箱。
●前回出陳年=平成21年(2009)
●縦28.0/横44.6/高14.6

床脚しょうきゃくの付いた⾧方形、逆印籠蓋造ぎゃくいんろうぶたづくりの箱。表面には菱形や三角形に切った沈香の薄板を貼って甃文いしだたみもんを表し、象牙ぞうげの界線やコクタンの薄板、矢羽根文や ば ね も んの木画などで区画する。床脚のつかは紺色に染めた象牙の表面に草花文を彫り表した撥鏤ばちる技法で装飾する。箱内にはビャクダンの薄板を貼り、花文を織り出したにしき内張うちばり(嚫)うちばりを入れる。舶来の高級な素材をぜいたくに用い、華麗に装飾した箱であることから、貴重な品物を納めてほとけに捧げられたと考えられる。

沈香木画箱

中倉 沈香木画箱

沈香木画箱

中倉 沈香木画箱(部分)

黄金瑠璃鈿背十二稜鏡おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう(七宝細工の鏡) 1面 南倉70

背面に十二弁の宝相華文を表した宝飾鏡。深い緑と金色の対比が美しい。
●前回出陳年=平成21年(2009) 東京国立博物館、平成12年(2000)
●径18.5/縁厚1.4/重2177

正倉院に伝来した宝飾鏡のひとつで、背面に十二弁の宝相華文ほうそうげもんが表されている。その花弁は銀の薄板に、黄、緑、深緑という3色の七宝釉薬しっぽうゆうやくを焼き付けたもので、さらに文様の区画線には鍍金が施されている。花弁の入り隅にはあられ文様を打ち出した三角形の金板が嵌め込まれ、全体として十二稜形をなしている。ガラス質の釉薬が持つしっとりとした艶感。みなぎる生命力を感じさせる深い緑と金色の対比が類いまれな美しさを生み出している。

黄金瑠璃鈿背十二稜鏡

南倉 黄金瑠璃鈿背十二稜鏡

鹿草木夾纈屛風しかくさききょうけちのびょうぶ(板じめ染めの屛風) 1扇 北倉44

樹の下に対の鹿。西アジア起源の文様を持つ国際色豊かな屏風。
●前回出陳年=平成25年(2013)
●⾧149.5/幅56.5/本地⾧125.1/幅49.5

国家珍宝帳こっかちんぽうちょう』に記載される17組の「驎鹿草木夾纈屛風りんろくくさききょうけちのびょうぶ」の一部にあたるもの。夾纈きょうけちとは、図柄を彫り出した板できれを挟んで防染し、複数の色を使って染める技法のこと。本品は二つ折りのきれを挟み左右対称の文様を染め出している。大きな樹木のもとで草花をはさんで向かい合う2 頭の鹿を表し、周りには鳥や草花を配する。樹の下に対の動物を表す文様は西アジアに起源があり、国際色豊かな正倉院宝物の一面がうかがえる。

鹿草木夾纈屛風

北倉 鹿草木夾纈屛風

開催概要

展覧会名第76回 正倉院展
会期2024年10月26日(土)〜11月11日(月)
時間8:00〜18:00(入館は閉館の60分前まで)
金・土・日曜日、祝日は20:00まで
休館日会期中無休
会場奈良国立博物館 東新館・西新館
住所〒630-8213 奈良県奈良市登大路町50番地
MAP
入場料一般/2,000円
高大生/1,500円
小中生/500円
キャンパスメンバーズ学生/400円
レイト割 一般/1,500円
レイト割 高大生/1,000円
レイト割 小中生/無料

※障害者手帳またはミライロID(スマートフォン向け障害者手帳アプリ)をお持ちの方(介護者1名を含む)、未就学児、レイト割(小中生)、奈良博メンバーシップカード会員の方(1回目及び2回目の観覧)、賛助会会員(奈良博、東博[シルバー会員を除く]、九博)、清風会会員(京博)、特別支援者は無料。
※無料対象の方は、「日時指定券」の購入は不要です。証明書等をご提示ください(小中生以下は不要)。

※キャンパスメンバーズ会員の学生は、奈良国立博物館と連携する特定の大学等に属する学生のみが対象となります。当日会場入り口で学生証の提示が必要です。提示いただけない場合には、差額をお支払いいただきます。キャンパスメンバーズ会員校等は、奈良国立博物館ウェブサイト( https://www.narahaku.go.jp/members/campus/ )でご確認ください。
キャンパスメンバーズの学生が誤って通常料金で「日時指定券」を購入した場合も、払い戻し等はできませんのでご注意ください。

※「日時指定券」の変更、キャンセル、払い戻し、再発行はいたしません。

※レイト割は月~木曜日は午後4時以降、金・土・日曜日、祝日は午後5時以降の「日時指定券」に適用されます。
※観覧には原則、事前予約制の「日時指定券」の購入が必要です(無料対象者を除く)。
予定販売枚数に達し次第、販売を終了します。
※「日時指定券」は当日各時間枠開始時刻まで販売いたします。
購入方法については下記をご確認ください。


【入館・観覧に関して】
・指定された日時以外の入館はできません。
・館内の状況により、指定された入館時間より早くご案内する場合や、お待ちいただく場合があります。
・各時間枠開始直後は、混雑が予想されますので、少し遅れてのご入館をおすすめいたします。
・本展は入替制ではありません。
・本展の「日時指定券」で、名品展(なら仏像館・青銅器館)もご覧になれます。
・当館に駐車場はございません。お車でのご来館はご遠慮願います。
チケット購入先【店頭・オンライン】
ローソンチケット[Lコード:59600]日本語版インターネット( https://l-tike.com/76shosoin-ten/ )、英語版インターネット、ローソン各店舗、ミニストップ各店舗

【電話】
CNプレイガイド[Cコード※入館開始時間ごと:①月~木曜日:午前8時~正午 237-091、②月~木曜日:正午以降 237-092、③金・土・日曜日、祝日:午前8時~正午 237-093、④金・土・日曜日、祝日:正午以降 237-094]
[電話(自動音声)0570-08-9920による受付のみ]

【オンライン】
●展覧会オンラインチケット( https://www.e-tix.jp/shosoin-ten/
●美術展ナビチケットアプリ
事前に「美術展ナビチケットアプリ」のダウンロードが必要です。美術展ナビチケットアプリはスマートフォン専用となります。(推奨環境:iOS 13以降、Android 6.0以降)
公式サイトhttps://shosoin-ten.jp/
博物館公式サイトhttps://www.narahaku.go.jp/
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特別支援DMG森精機
協力NHK奈良放送局、奈良交通、奈良テレビ放送、日本香堂、仏教美術協会、読売テレビ
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Takenaka Kenji

Takenaka Kenji

playpark合同会社 代表・クリエイティブディレクター

1983年生まれ。大阪の出版社でデザイナー・編集者として勤務。ECサイト会社などを経て2017年デザイン事務所playparkを設立。2022年にアート、デザイン、エンタメ、クリエティブなど業界のクリエイティブを「発見し、考え、繋げる」をテーマにWEBマガジンBuzzBubble(バズルバブル)をスタートさせる。

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