海外でも評価が高い塩田千春が大阪で16年ぶりとなる大規模な個展「塩田千春 つながる私(アイ)」が大阪中之島美術館にて2024年12月1日まで開催
国内のみならず海外でも多数の展覧会を開催する塩田千春。2008年以来、16年ぶりとなる大阪での大規模な個展「塩田千春 つながる私」が大阪中之島美術館にて2024年9月14日(土)から12月1日(日)まで開催。本展の見どころや展示作品などをご紹介します。
※以下、画像とテキストは、情報提供を受けてプレスリリースから引用
本展は閉幕にむけ混雑が予想されるため、11月30日(土)、12月1日(日)は開場時間を1時間延長することが決定。
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「塩田千春 つながる私」開催趣旨
塩田千春《インターナルライン》2022/2024年 撮影:木奥惠三
塩田千春(1972年生まれ)の出身地・大阪で、16年ぶりに開催する大規模な個展です。
現在ベルリンを拠点として国際的に活躍する塩田は、「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、作品を通じて「生きることとは何か」、「存在とは何か」を問い続けています。無数の糸を張り巡らせたインスタレーションは、場所や物に刻まれた人々の痕跡を「記憶」としてとらえ、それらを糸で編みこむことで「不在の中の存在」というテーマに向き合うものです。かたちのない、現実に不在である「記憶」を確かに存在するものとして可視化し、真実に触れようとしているのです。
こうした「記憶」は自分以外のものとの「つながり」によって形成されています。本展覧会は、全世界的な感染症の蔓延を経験した私たちが、否応なしに意識した他者との「つながり」に、3つの【アイ】-「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」を通じてアプローチしようというものです。それぞれの要素はさまざまに作用し合いながら、わたしたちと周縁の存在をつないでいると考えます。
本展覧会では、インスタレーションを中心に絵画、ドローイングや立体作品、映像など多様な手法を用いた作品を展覧し、塩田千春の創作をみつめます。「つながり」をテーマとして寄せられたメッセージを含むインスタレーション、その他の出品作品を通じて、たくさんのつながりに思いを巡らせていただく機会となることでしょう。本展をご覧いただく皆さまに、「つながる私」との対話が生まれることを願うものです。
「塩田千春 つながる私」の見どころ
01. 新作や国内未発表作品を含む、大規模なインスタレーション作品を展示
塩田千春の代名詞ともいえる、糸を使ったインスタレーション作品。本展覧会では約1,700㎡、天井高6mの会場を舞台に、6点のインスタレーション作品を発表します。
02. 塩田千春の生まれ故郷・大阪での16年ぶりの大規模個展
国内のみならず海外でも多数の展覧会を開催する塩田千春。2008年以来、16年ぶりとなる待望の地元・大阪での大規模な個展です。
03. 本展覧会に寄せられたメッセージによる、インスタレーション作品を発表
「塩田千春 つながる私」への出展を目的に、「つながり」をテーマとして広く一般からテキストメッセージを募集しました。これらのメッセージを用いたインスタレーション作品を発表します。
塩田千春プロフィール
1972年、大阪府生まれ。ベルリン在住。2008年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2015年には、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館代表に選ばれる。2019年、森美術館にて過去最大規模の個展『魂がふるえる』を開催。2020年、第61回毎日芸術賞受賞。
また、アーマンド・ハマー美術館(2023年)、クイーンズランド・アート・ギャラリー/ブリスベン近代美術館(2022)、龍美術館(2021年)、ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ(2020年)、南オーストラリア美術館(2018年)、ヨークシャー彫刻公園(2018年)、国立国際美術館(2008年)を含む世界各地の個展のほか、国際展などのグループ展にも多数参加。
ベルリンのアトリエ
作品紹介
塩田千春《つながる輪》2024年 撮影:木奥惠三
本展覧会のタイトルにちなみ、「つながり」をテーマに記されたテキストが糸によって編み込まれます。テキストは一般の方々から寄せられたもので、2024年3月から募集をはじめました。
本作品では、ひとびとの内に秘められた「つながり」が、塩田千春のつむぐ糸によって、わたしたちの目に見えるかたちで提示されています。
作品にたくさんの糸が用いられているのは、人と人とのつながりを表すためだといいます。糸を通じて、その場にはいない誰かと鑑賞者であるわたしたちもつながっているのです。
塩田千春《多様な現実》2022/2024年 撮影:木奥惠三
塩田千春作品にたびたび登場するモチーフ、ドレス。1990年代に発表された、泥をまとったドレスによるインスタレーション《アフター・ザット》を思い起こす方も多いでしょう。塩田千春にとってドレス(衣服)とは、自身の第二の皮膚のような存在だといいます。
第二の皮膚としてのドレスを存在させることで、翻って自身の身体が不在であることが示されています。そのひと本人が不在でありながら、確かにその人の存在を感じさせるもの。「不在の中の存在」がわたしたちに語りかけています。
塩田千春《巡る記憶》2022/2024年 撮影:木奥惠三
張り巡らせた白い糸から水滴が滴り、静かに水盤を揺らします。水盤におちた水滴は表面に溶け込んだのちに吸い上げられ、ふたたび水盤へと落下して戻っていきます。
循環する水滴と同じようにわたしたちが生成した記憶は、生きたまま消え去ることなく体内にとどまり、絶え間なく循環してわたしたちを形成する要素となっているのです。
現実には不在であるひとびとの記憶が糸によってつながれて、わたしたちの目の前に「不在の中の存在」として確かに示されています。
塩田千春《家から家》2022/2024年 撮影:木奥惠三
塩田千春《他者の自分》2024年 撮影:木奥惠三
塩田千春 多和田葉子『研修生(プラクティカンティン)』のための挿絵 2023–2024年
撮影:木奥惠三
開催概要
展覧会名 | 塩田千春 つながる私 |
会期 | 2024年9月14日(土)〜12月1日(日) |
時間 | 10:00~17:00(入場は16:30まで) ※11月30日(土)、12月1日(日)は10:00~18:00(入場は17:30まで) |
休館日 | 月曜日、11月5日(火) ※11月4日(月・休)は開館 |
会場 | 大阪中之島美術館 5階展示室 |
住所 | 〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4丁目3−1 |
MAP | |
入場料 | 【当日】 一般/2,000円(1,800円) 高大生/1,500円(1,300円) 【平日】 一般/1,800円 ( )内は団体料金 ※中学生以下無料。団体は20名以上。 ※平日価格は一般のみ。 ※障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)は当日料金の半額(要証明)。 ご来場当日、2階のチケットカウンターにてお申し出ください。 ※本展は、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要です。 |
チケット購入先 | 大阪中之島美術館チケットサイト、展覧会公式オンラインチケット(etix)、ローソンチケット(Lコード:55400)、チケットぴあ(Pコード:686-994)、イープラス、セブンチケット(セブンコード:106-440)、CNプレイガイド、アソビュー!、楽天チケット |
公式サイト | https://nakka-art.jp/exhibition-post/chiharu-shiota-2024/ |
美術館公式サイト | https://nakka-art.jp/ |
SNS一覧 | |
主催 | 大阪中之島美術館、MBSテレビ、朝日新聞社 |
協賛 | ダイキン工業、DNP大日本印刷、竹中工務店、ハマナカ、リーガロイヤルホテル(大阪) |
Takenaka Kenji
playpark合同会社 代表・クリエイティブディレクター
1983年生まれ。大阪の出版社でデザイナー・編集者として勤務。ECサイト会社などを経て2017年デザイン事務所playparkを設立。2022年にアート、デザイン、エンタメ、クリエティブなど業界のクリエイティブを「発見し、考え、繋げる」をテーマにWEBマガジンBuzzBubble(バズルバブル)をスタートさせる。
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