NEW 自然が自然のままアートとなる世界を体験できる大阪・長居植物園に常設しているチームラボによる夜の野外ミュージアム「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」の作品をご紹介

自然が自然のままアートとなる世界を体験できる大阪・長居植物園に常設しているチームラボによる夜の野外ミュージアム「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」の作品をご紹介

大阪・長居植物園に常設しているチームラボによる夜の野外ミュージアム「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」。長居植物園内の草木や池、生態系や環境を使い春夏秋冬、植物園の四季と共に移り変わっていく作品をご紹介します。

※以下、画像とテキストは、情報提供を受けてプレスリリースから引用

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」とは?

ハイライト動画「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」
大阪、大阪市長居植物園 ©︎ チームラボ

生命のような存在の輪郭

大阪市にある屋外植物園の長居植物園は、1974年に開園した。野球場などを備えた総合公園として1944年に開園した長居公園内にある。長居植物園は、広さ約24万㎡、中央には、大きな池があり、草花や木々が季節と共に移り変わっていく。

開園から50年経ち、今では多くの野鳥が生息し、オオタカやフクロウも目撃される。オオタカやフクロウは食物連鎖の頂点に位置する生物で、健全な生態系がないと生きていけないといわれている。大都市の中に、人工的につくられた植物園とその中央の池が、人と共に生態系をつくっている。人も含めた都市の中の人工生態系とも言える。

生命の存在の輪郭はどこか?

石ころや、これまで人間がつくってきたものは、それ自体で安定的な構造をもつ。石ころは、外界から遮断され密封された箱に入れても存在し続けるが、生命は、そのような閉じた箱に入れられると存在を維持できない。生命は、自分自身で構造を持っていないのだ。

生命は、海に生まれる渦のようなものである。渦を海から切り取って閉じた箱に入れると、渦は消えてなくなる。渦は、それ自体で安定した自らの構造を保っているものではなく、渦の外部から内部へ、そして内部から外部へと流れ続ける水によってつくられ、その流れによって渦の構造は維持され続ける。渦は、流れの中にある存在であり、その存在の境界は曖昧である。

生命も、外部から食物として物質とエネルギーを取り込み、物質を排出し、エネルギーを外に散逸させながら、秩序構造を維持している。生命の構造は、そのもの自体ではなく、それらと連続する環境によってつくられている。つまり、生命の存在の輪郭は、肉体の物理的な境界面ではなく、それらと連続する環境も含めた曖昧なものなのである。

チームラボは、「Digitized Nature」というプロジェクトを行っている。非物質的であるデジタルテクノロジーによって「自然が自然のままアートになる」というプロジェクトだ。

草木そのものや、ここに生息する鳥のふるまいを使った作品群は、草木や鳥がなくなると、作品は消えてなくなってしまう。草木や鳥は、植物園の森や池などの生態系とは切り離せず、環境が維持されない時、草木や鳥が生存できないため、作品も存在しなくなる。つまり、これらの作品群の存在の輪郭もまた、作品の物質的な境界面ではなく、周辺の環境に対して連続的で曖昧である。

そして、作品は、吹く風や雨、そこにいる人々のふるまいの影響を受けてインタラクティブに変容し、環境と人々を作品の一部にしていく。人々と作品、草木、森や池、生態系や環境が、境界なく連続していく。

人々の意識が、作品そのものから環境に広がっていく場を、模索していこうと思う。

常設作品

風の中の散逸する鳥の彫刻群 / Sculptures of Dissipative Birds in the Wind

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」風の中の散逸する鳥の彫刻群

チームラボ《風の中の散逸する鳥の彫刻群》
©チームラボ

生命の存在の輪郭は、肉体の境界面ではなく、それらと連続する環境も含めた、曖昧なものである。

この作品は、実際に周辺を飛ぶ鳥が、周辺の環境に連続的に与えるエネルギーを描き続ける、巨大な彫刻群。

鳥が飛ぶと、そのエネルギーは、空気などの環境を動かしていく。
吹いている風の中に、今この瞬間に飛んでいる鳥と、そして、今日の日の出から日の入りまでの間に飛んだ鳥の記憶が重なりあいながら、鳥がこの世界に与えたエネルギーを描いている。

彫刻群の周りに鳥が飛ばなければ、この彫刻群は真っ暗で闇に溶け込み、作品は存在しないに等しい。
彫刻群のある池の島には、鳥にとって良い環境にするため、鳥が食べる虫が集まる草木などを植えている。彫刻群の周辺に植えられたこれらの草木に鳥が集まることにより、この彫刻群は成り立っている。しかし、鳥は、そして虫も、池の島の草木だけで存在しているわけではなく、広大な植物園の森と池の生態系によって存在する。

この彫刻群の存在の輪郭もまた、物質的な彫刻の境界面ではなく、周辺の環境に対して連続的で曖昧である。

Walk, Walk, Walk – 二次林

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」Walk, Walk, Walk - 二次林

チームラボ《Walk, Walk, Walk – 二次林》
©チームラボ

森の木々沿いを、匿名で多様な肖像群が歩き続ける。

人々は、何かを選び、そして何かを捨て、彼らと対峙しながら鑑賞する。

禅の言葉に「歩歩是道場(ほほこれどうじょう)」という言葉がある。作品の登場人物は、いろいろな出来事に対峙しながら、終わりなく歩き続ける。人々もまた、次々に歩いて来る作品世界の登場人物と対峙していくことになるだろう。

作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。

ツバキ園の呼応する小宇宙 – 固形化された光の色, Dusk to Dawn

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」ツバキ園の呼応する小宇宙 - 固形化された光の色, Dusk to Dawn

チームラボ《ツバキ園の呼応する小宇宙 – 固形化された光の色, Dusk to Dawn》
©チームラボ

日中と日没後で様子が変わるOvoid(卵形体)が密集するツバキ園。

太陽の下では、Ovoidは周りの世界を映しはじめる。
太陽が沈むと共に、Ovoidは自ら光り輝き出す。Ovoidは人に押されると、もしくは風に吹かれたり、雨に当たると、その光を強く輝かせ音色を響かせ、自ら立ち上がる。周辺のOvoidも次々に呼応し、同じ光を輝かせ、同じ音色を響かせ連続していく。

Ovoidは、風が静かで人々が何もしない時、ゆっくりと明滅をはじめる。
Ovoidは、光だからこそ発色できる61色の「固形化された光の色」で変化していく。

ツバキ園の呼応する小宇宙 – 液化された光の色, Dusk to Dawn

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」ツバキ園の呼応する小宇宙 - 液化された光の色, Dusk to Dawn

チームラボ《ツバキ園の呼応する小宇宙 – 液化された光の色, Dusk to Dawn》
©チームラボ

日中と日没後で様子が変わるOvoid(卵形体)が群生するツバキ園。

太陽の下では、Ovoidは周りの世界を映しはじめる。
太陽が沈むと共に、Ovoidは自ら光り輝き出す。Ovoidは人に押されると、もしくは風に吹かれたり、雨に当たると、その光を強く輝かせ音色を響かせ、自ら立ち上がる。周辺のOvoidも次々に呼応し、同じ光を輝かせ、同じ音色を響かせ連続していく。
そして、周辺の《呼応するツバキ園》にも呼応し、同じ色に変化し音色を響かせながら、変化していく。

Ovoidは、風が静かで人々が何もしない時、ゆっくりと明滅をはじめる。
Ovoidは、光だからこそ発色できる57色の「液化された光の色」で変化していく。

呼応するツバキ園

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」呼応するツバキ園

チームラボ《呼応するツバキ園》
©チームラボ

ツバキ園の木々が光り輝く。木々の光は、それぞれ自律しており、ゆっくりと呼吸するかのように明滅している。

木々の光は、《ツバキ園の呼応する小宇宙 – 液化された光の色》から伝播してきた光に呼応し、色を変え、色特有の音色を響かせる。その木の光は、周辺の木々に次々と伝播し音色を響かせながら、連続していく。

木々の奥から光が押し寄せてくれば、向こうの方に人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう。

自立しつつも呼応する生命の森 – ユーカリ

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」自立しつつも呼応する生命の森 - ユーカリ

チームラボ《自立しつつも呼応する生命の森 – ユーカリ》
©チームラボ

ユーカリの広場に密集して立ち続ける光のovoid(卵形体)は、それぞれ自律している。人にかき分けられたり、風に吹かれたりして倒れると、立ち上がりながら光の色を変え、色特有の音色を響かせる。その周辺のovoidにも次々に呼応し、同じ色に変化し音色を響かせながら、連続していく。光のovoidは、風が静かで人々が何もしない時、ゆっくりと明滅をはじめる。

ovoidの奥から光が押し寄せてくれば、向こうに人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう。

具象と抽象 – 二次林の入口

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」具象と抽象 - 二次林の入口

チームラボ《具象と抽象 – 二次林の入口》
©チームラボ

「長居の里山」と呼ばれる森の入り口にある作品。

人々が作品の中に入り、止まってしばらくすると、新たな線の集合が生まれて広がっていく。
その線の集合によって、森は平面の層へと変わる。

森に憑依する炎 – 二次林

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」森に憑依する炎 - 二次林

チームラボ《森に憑依する炎 – 二次林》
©チームラボ

森の中で燃え続ける炎は、闇の絶対的な存在によって、形が変化していく。

炎は、燃焼することによって発生する光や熱の現象であり、流れの中にある気化した物質や分解された物質でもあり、現象と物質の狭間を見る時の私たちの感覚的な経験である。人々は、感覚的な経験である炎をひとつの物体のように認識し、時にはそこに生命を感じる。

燃焼する気体の流れによって、空間上に線を描き、その線の立体的な集合で炎をつくり、チームラボが考える「超主観空間」によって平面化し、炎を描いた。

チームラボは、「Distributed Art」という概念を模索している。
Distributed Fire》のアプリを持って作品の炎に近づくと、スマートフォンに炎がともり、作品を持ち帰ることができる。その持ち帰った炎を、他の人のスマートフォンに近づけると、同じように炎がともる。炎を誰かにつなげ、その炎がまた他の誰かにつながっていくことで、炎は、世界中に広がっていく。広がっていく炎群全体は、炎地図に描かれていく。

Distributed Artにおいて、ある作品は自らを複製し、ある作品はその一部を人々に分ける。人々の手に渡った作品は、また、自ら複製を生成し、人々が能動的に分散していく。作品は、人々のネットワーク上に分散して存在し、分権型のアートになっていくだろう。作品は、ネットワーク上に存在する時、オリジナルが消滅しても存在し続ける。

森の道 – 二次林

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」森の道 - 二次林

チームラボ《森の道 – 二次林》
©チームラボ

歩くペースによって、森の中の音楽体験が変わっていく。

生命は連続する光 – ラクウショウ

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」生命は連続する光 - ラクウショウ

チームラボ《生命は連続する光 – ラクウショウ》
©チームラボ

大阪市長居植物園の入り口と大池を繋ぐラクウショウ並木が光り輝く。

ラクウショウの光は、人々が近くを通ると、さらに強く輝き、音色を響かせる。そして、その木の光は周辺のラクウショウの木へ伝播し、音色を響かせながら、連続していく。向こうの方から光が押し寄せてくれば、向こうに人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう。

呼応するサルスベリ

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」呼応するサルスベリ

チームラボ《呼応するサルスベリ》
©チームラボ

大池沿いのサルスベリが光り輝く。

サルスベリの光は、人々が近くを通ると、さらに強く輝き、音色を響かせる。そして、その木の光は周辺のサルスベリの木へ伝播し、音色を響かせながら、連続していく。向こうの方から光が押し寄せてくれば、向こうに人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう。

【季節展示】大池に浮遊する呼応するランプ – 曖昧な桜 / Floating Resonating Lamps on Oike Lake – Ambiguous Cherry Blossom

「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」大池に浮遊する呼応するランプ - 曖昧な桜

チームラボ《大池に浮遊する呼応するランプ – 曖昧な色 》
©チームラボ

大池に浮かぶランプは、それぞれ自律し浮遊している。
人がランプの近くで立ち止まっていると、もしくは風に吹かれて傾くと、強く輝き音色を響かせる。その周辺のランプも次々に呼応し、光を輝かせ音色を響かせ池の中央に浮かぶ小島の木々にまで連続していく。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を感じるだろう。

ランプは、風が静かで人々が近くにいない時、ゆっくりと明滅をはじめる。

チームラボとは?

アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。

チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。

ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、シリコンバレー、北京、メルボルンなど世界各地でアート展を開催。ミュージアム・大型常設展を、東京(チームラボボーダレス、チームラボプラネッツ)、ジッダ(teamLab Borderless Jeddah)、マカオ(teamLab SuperNature Macao)などで開館した他、今後もアブダビ、ハンブルク、京都などでオープン予定。

チームラボの作品は、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、オーストラリア国立美術館(キャンベラ)、アモス・レックス(ヘルシンキ)、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)などに収蔵されている。

チームラボ公式サイトhttps://www.teamlab.art/jp/
SNS一覧

開催概要

ミュージアム名チームラボ ボタニカルガーデン 大阪
営業時間2025年3月10日(月)〜 3.31(月)18:45〜21:30
2025年3月11日(火) 〜 3.31(月)18:45〜21:30
2025年4月1日(火)〜4.20(日)19:00〜21:30
2025年4月21日(月)〜 5.2(金)19:15〜21:30
2025年5月3日(土)〜5.6(火)19:15〜21:45
2025年5月7日(水)〜6.1(日)19:30〜21:30
2025年6月2日(月)〜 7.31(木)19:15〜21:30

※最終入場時間は20:30です。(5月3日〜5月6日は20:45)
※開催時間はシーズンによって異なります。
※最終入場時間後に来られた場合はご入場いただけません。遅れずにご来場ください。
※園内は暗く、悪路が多いです。スニーカーなど、歩きやすい靴でご来場ください。
※屋外展示のため、防暑・防寒対策のご用意をお願いします。 季節によって、虫よけスプレーの活用や、長袖や長ズボンなど肌の露出を避けた服装でお越しください。
※園内は非常に広いです。お時間に余裕をもってお越しください。
休み不定期
会場長居植物園
住所大阪市東住吉区長居公園1-23
MAP
公式チケットサイトhttps://botanicalgarden.ticket.teamlab.art/#/order
チケット購入先公式チケットサイトからの事前購入を推奨しております。
1)公式チケットサイトにて購入したチケットのみ、チケットの日付変更が「3回まで」可能です。
※当日21:00まで変更可能です。
2)荒天時の中止情報などの最新情報を、購入時のメールアドレスへお知らせします。
※公式チケットサイト以外で購入したチケットは、購入後の変更・キャンセルはできません。
長居植物園サイトhttps://botanical-garden.nagai-park.jp/
長居公園サイトhttps://nagaipark.com/
主催チームラボ ボタニカルガーデン 大阪合同会社
協賛大阪芸術大学
後援大阪市・大阪観光局・ヤンマーホールディングス株式会社・Osaka Metro・近畿日本鉄道株式会社・西日本旅客鉄道株式会社
協力一般財団法人 大阪スポーツみどり財団
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BuzzArt編集部

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