江戸時代を代表する絵師 伊藤若冲やその弟子などの絵画を展示した「細見コレクション 若冲と江戸絵画」が京都・細見美術館にて2025年3月1日から開催

江戸時代を代表する絵師 伊藤若冲やその弟子などの絵画を展示した「細見コレクション 若冲と江戸絵画」が京都・細見美術館にて2025年3月1日(土)から5月11日(日)開催。細見コレクションより若冲とその弟子とされる若演の作品のほか、江戸時代のさまざまな絵師による作品のみどころを紹介します。
※以下、画像とテキストは、情報提供を受けてプレスリリースから引用
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「細見コレクション 若冲と江戸絵画」みどころ
江戸時代絵画を代表する絵師として知られる伊藤若冲(1716~1800)。精緻な描写、鮮やか な色彩や自由闊達な水墨表現は、対象を独自の視点で捉えた瑞々しい絵画世界を形成し、多く の人を魅了しています。
細見コレクションの若冲作品の特徴は、初期作と晩年作が見られるところにあります。彩色画の《雪中雄鶏図》や《糸瓜群虫図》は30代の作。早くも若冲の独創的な描写が見出され、のちの《動植綵絵》(皇居三の丸尚蔵館)につながる重要な作品と位置づけられています。
一方で、若冲の画業において質・量ともに見逃せない水墨画は、細見コレクションでも大きな割合を占めています。80代の筆とされる《群鶏図》や《鼠婚礼図》など、絶妙な墨技によって動物を表情豊かに描いています。
本展では、細見コレクションより若冲とその弟子とされる若演の作品のほか、江戸時代のさまざまな絵師による作品を展観、若冲と江戸時代絵画の豊かな表現をお楽しみください。
見逃せない初期作

伊藤若冲 《雪中雄鶏図》 江戸中期
細見美術館蔵
錦小路の青物問屋「桝屋」の主人だった 30代半ばの作で、字【あざな】の「景和」を署名としています。写実的で鮮やかな鶏の描写、奇妙な形の竹やとろけるような雪には早くも若冲独特の表現が表れています。

伊藤若冲 《糸瓜群虫図》 江戸中期
細見美術館蔵
極端に細長い糸瓜に群がる虫たち。よく見ると 11 匹の生き物が細部に至るまで丁寧に 描かれています。虫だけでなく、くるくると渦を巻く蔓の先端や傷んだ葉を持つ糸瓜の描写にも注 目してください。30 代後半の作。
水墨に遊ぶ

伊藤若冲 《群鶏図》 寛政8年(1796)頃
細見美術館蔵
中央の雄鶏の逞しい姿が印象的な作品。力強い筆遣いで颯爽と描かれています。三羽そ れぞれを墨の濃淡を使い分けて描いた羽毛、鶏冠や脚の細かい表現など、手慣れた様子を示しな がらも丹念な描写に引き込まれます。

伊藤若冲 《鼠婚礼図》 寛政8年(1796) 頃
細見美術館蔵
婚礼の準備に追われる鼠たち。右には宴に加わろうと盃を抱えた鼠が引っ張られていま す。大きく余白を取ることで、見る人の視線を誘導しながら物語性を強めています。晩年の作です が、童心にかえったような愛らしさです。
若冲周辺の絵師

若演 《釣瓶に鶏図》 江戸後期
細見美術館蔵
滑車を吊るす竿に止まる鶏。丸い胴体でバランスを取る真剣な表情もユーモラスです。 軽妙な筆遣いや簡略的な形態の表現は、若冲の晩年の水墨画風に拠りながらも個性的。 若演は若冲の弟子とされるうちの一人です。

池大雅 《児島湾真景図》 江戸中期
細見美術館蔵
友人と瀬戸内を周遊中に見た児島湾(岡山県)の景色を描いたもの。旅の記憶を理想化して描いています。高い視点から遠方を望む風景には旅の開放感が伝わってくるようです。文人画の大成者・大雅は幅広い交友関係を持ち、若冲とも親交がありました。
開催概要
展覧会名 | 細見コレクション 若冲と江戸絵画 |
会期 | 2025年3月1日(土)〜5月11日(日) |
時間 | 10:00〜17:00 |
休館日 | 月曜日(ただし、5月5日は開館)、5月7日(水) |
会場 | 細見美術館 |
住所 | 〒606-8342 京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6−3 |
MAP | |
入場料 | 一般/1,800円 学生/1,300円 |
美術館公式サイト | http://www.emuseum.or.jp/ |
SNS一覧 | |
主催 | 細見美術館、京都新聞 |
協力 | 芸艸堂 |
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