NEW 草間彌生の故郷・長野県松本市にある松本市美術館が所蔵する版画作品に作家蔵の作品を加えた約330点を展示する展覧会「松本市美術館所蔵 草間彌生  版画の世界―反復と増殖―」が京都市京セラ美術館にて2025年4月25日から開催

草間彌生の故郷・長野県松本市にある松本市美術館が所蔵する版画作品に作家蔵の作品を加えた約330点を展示する展覧会「松本市美術館所蔵 草間彌生  版画の世界―反復と増殖―」が京都市京セラ美術館にて2025年4月25日から開催

草間彌生の故郷・長野県松本市にある松本市美術館が所蔵する版画作品に作家蔵の作品を加えた約330点を展示する展覧会「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」が京都市京セラ美術館にて2025年4月25日(金)から9月7日(日)まで開催。初めての版画作品から近年の代表作「愛はとこしえ」シリーズまで草間彌生、初の大規模版画展の見どころなどをご紹介します。

※以下、画像とテキストは、情報提供を受けてプレスリリースから引用

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「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」概要

世界的前衛芸術家・草間彌生(1929~)の版画の世界をご紹介する展覧会です。草間彌生は1993年第45回ヴェネチア・ビエンナーレにおいて、日本を代表する作家として世界の舞台へと立ちますが、その前後で積極的に版画制作に取り組んだことも、現在の評価につながる大きな原動力となりました。

草間彌生は1979年に版画作品を初めて発表します。そこには米国から帰国後の死や苦悩をテーマにした作品とは対照的に、華やかなモチーフが色彩豊かに表現されています。それまでの抽象的な表現に加え、南瓜、ドレス、葡萄、花や蝶など日常的なモチーフが網目や水玉で構成され、明瞭な色彩をまといます。

網目や水玉の増殖が創作活動の根幹にあった草間と、複製芸術である版画は必然的に出合ったと言っても過言ではないでしょう。
近年は、富士山を主題に浮世絵の木版画の技法を用いた連作や、モノクロームの大型シルクスクリーン作品「愛はとこしえ」シリーズなど、特徴的な作品を発表しています。

本展覧会では、世界最大級の草間コレクションを誇る草間彌生の故郷・長野県松本市にある松本市美術館が所蔵する版画作品に作家蔵の作品を加えた約330点で草間彌生の版画芸術の魅力と軌跡を展観します。

みどころ

01 .草間彌生、初の大規模版画展!シルクスクリーン、エッチング、木版画、ラメなど様々な版画技法を網羅した展覧会

02. 世界最大級の草間コレクションを誇る松本市美術館から総数約330点が京都に集結!

03. 作品を全点入れ替える展示替えを行うのは京都会場だけ!(後期7/1~)

04. 初めての版画作品から、近年の代表作「愛はとこしえ」シリーズまでを一挙紹介!

05. 江戸時代の浮世絵の制作技術を継承する版元と前衛芸術の「共創」で実現した富士山の木版画連作も大公開!

展示構成

01. わたしのお気に入り

1929年、草間彌生は長野県松本市で種苗業を営む旧家に生まれます。草間は花園に囲まれた少女期を過ごし、スケッチをするのが日課となっていました。その類まれな観察眼とデッサン力でいつしか世界を舞台に闘うことを決意します。

1957年、28歳で単身渡米。網目、水玉といった独自のイメージを確立し、約16年間、ニューヨークを中心に創作活動を行います。しかし、体調や心の不調を感じ、1973年に帰国。この時期の作品には、苦しい胸のうちを反映するように、「死」を想起させるものが多く存在します。版画作品が登場したのもその頃からです。

版画作品には、死や苦悩を前面に押し出した作品とは対極にあるような華やかなモチーフが色彩ゆたかに表現され、生命力に満ちています。

「草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」《靴をはいて野にゆこう》1979年

《靴をはいて野にゆこう》1979年 ©YAYOI KUSAMA【後期展示】

02. 輝きの世界

草間は渡米後、1959年に発表した網目でキャンバスを覆いつくす絵画「無限の網(ネット・ペインティング)」シリーズによって、画家として鮮烈なデビューを飾ります。

そして、1965年頃からは、電飾と鏡を用いた立体作品の制作を始めました。「ミラールーム」に代表される光の彫刻作品です。合わせ鏡によって明滅しながらどこまでも増殖する光(水玉)は、草間の永遠なるイメージを代弁しているようです。

その輝きの世界は版画作品にも見ることができます。「無限の網」は、心の中のイメージと視覚的、体感的な経験の堆積を整理し、極々シンプルなかたちへ集約したものと言えます。

故郷・松本のせせらぎ、渡米時に飛行機の窓から見た太平洋の揺らめきもその要素になっています。版画作品のラメの粒子による瞬きはそれらの記憶と通底しているのかもしれません。

「草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」《帽子 (I) 》2000年

《帽子 (I) 》2000年 ©YAYOI KUSAMA【後期展示】

03. 愛すべき南瓜たち

草間彌生は植物に囲まれて育ちます。家の周りに広がる畑に出かけてはスケッチをする少女時代を過ごします。特にお気に入りは南瓜。その太っ腹で愛らしい姿に惹かれ、幾度も幾度も描いてきました。

時を経て、心の葛藤を自己分析によって昇華させた水玉や網目が、草間の幼少期の記憶にあった植物たちと結びつきます。南瓜など身近なモチーフが水玉を纏(まと)うことで鑑賞者は草間彌生の表現に寄り添いやすくなったのかもしれません。鑑賞者と草間の心をつないだ南瓜は、今なお草間芸術の代表的なイメージとして君臨し続けています。

「草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」《南瓜》1982年

《南瓜》1982年 ©YAYOI KUSAMA【前期展示】

04. 境界なきイメージ

草間は、キャンバスや彫刻作品、さらには空間全体を水玉や網目など同じパターンで覆いつくすことで、自身の中から浮かび上がるイメージは無限であることを高らかに宣言してきました。幼少期から共存を強いられた得体の知れない内的イメージを、草間は芸術によって自らの個性に昇華させることに成功します。

それは葛藤と分析を繰り返し、永い闘いの末に手に入れた成果でもありました。常同反復によるイメージの増殖が創作活動の根幹にあった草間と、複製芸術である版画の出合いは必然だったのかもしれません。それまでの画面上、または同一空間でのイメージの増殖であったものが、版画作品の登場により、草間自身の手を離れた増殖を可能としたと言えるでしょう。

「草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」《波(1)》1998年

《波(1)》1998年 ©YAYOI KUSAMA【後期展示】

05. 単色のメッセージ

シルクスクリーン、リトグラフは草間彌生の原画をもとに刷師が版を作成していますが、本章で紹介するエッチングの作品では、草間自身が銅板に線を描いているため、より直接的なイメージの再現ができていると言えるかもしれません。指先のわずかな振幅や強弱さえも版に刻まれ、それをあえて補正せずに刷り上げられています。小さな銅板にギリギリとねじ込んだ草間のイメージは、色彩のない単色の表現によって、より鮮明に浮かび上がります。

振り返れば、草間芸術の大きな転機にはいつもモノクロームの作品が誕生してきました。新たな表現領域に踏み込むにあたり、まず形状を徹底的に突き詰め、湧き上がって来るイメージを完全にその手中に捉えた後、色彩が溢れ出してきます。土台としてのフォルムが揺るがないからこそ、草間の色彩は天高く舞い上がることができるのでしょう。

「草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」《無限》1953年-1984年

《無限》1953年-1984年 ©YAYOI KUSAMA【前期展示】

06. 愛はとこしえ

「愛はとこしえ」は2004年から約4年をかけて制作されたシリーズで、黒色のマーカーペンで100号のキャンバスに描いた50点を原画としたシルクスクリーン作品です。顔や目、植物など具体的なモチーフが前面に押し出され、草間芸術の深遠性を知らしめます。

帰国後の版画作品によって、つなぎ留められた記憶は、「愛はとこしえ」によって表出しました。それは、かつて幼少期を過ごした故郷・松本の花園で想像した数多のイメージで、脈々と草間の中に息づいていた大切な記憶であったのかもしれません。

本シリーズは、その後のアクリル画「わが永遠の魂」シリーズへと繋がり、最新シリーズ「毎日愛について祈っている」へ発展を続ける近年の躍進の起点となった作品でもあります。

「草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」《朝のかがやき (TWHIOW) 》2007年

《朝のかがやき (TWHIOW) 》2007年 ©YAYOI KUSAMA【前期展示】

草間 彌生(YAYOI KUSAMA)略歴

前衛芸術家、小説家。1929年、長野県松本市に生まれる。

幼少期より水玉や網目を描く。1957年に渡米、ニューヨークを拠点にネット・ペインティング、ソフト・スカルプチャー、鏡や電飾を用いた革新的なインスタレーション作品を発表。さらにボディ・ペインティング、ハプニング、ファッション・ショー、映画など多様な表現を欧米で展開する。

1973年に帰国、活動拠点を東京に移し、美術制作に加え、詩や小説の文筆活動も行う。野外彫刻や企業とのコラボレーション、ドキュメンタリー映像などを通じて幅広い世代に知られるようになる。

世界各地の美術館で大規模な展覧会が開催され、2016年文化勲章受章。2017年、草間彌生美術館を東京都新宿区に開館。
代表作に「無限の網」、「無限の鏡の間」、「水玉強迫」、「南瓜」、「わが永遠の魂」シリーズなど。現在も精力的に制作を続ける。

音声ガイド

音声ガイドでは、草間彌生本人の肉声を特別収録
自作の詩の朗読、詩に自らの曲をつけ歌うトラックなど、充実の内容です。声優の羽多野渉さんのナレーションとともに、草間ワールドを耳から体感してみて下さい。

ナレーション

声優:羽多野 渉 Wataru Hatano
長野県出身。81プロデュース所属。
おもな出演作にNHKEテレ「ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!」(ニャンちゅう役)、「呪術廻戦
渋谷事変」(重面春太役)、「キャプテン翼」(松山光役)、「僕のヒーローアカデミア」(心操人使役)
など。声優としてだけでなくアーティストとしても活動中。

会場レンタル版

展覧会会場入口にて、専用ガイド機を気軽にレンタルできます。

貸出料金お一人様1台 650円(税込)

アプリ配信版(iOS/Android)「聴く美術」

配信期間中は、いつでもどこでも何度でも視聴可能。

販売価格650円(税込)
配信期間2024年9月27日(金)~展覧会開催期間中を予定

オリジナルグッズ

※価格はいずれも税込です。
※図録内容は4種類とも同じです。
会期中の販売状況により図録各カラー、グッズは品切れとなる場合があります。

展覧会図録 3,000円

表紙は出品作品「南瓜」と同様の4色展開。お好きな色をお選びいただけます。

展覧会オリジナルグッズノート 1,980円

展覧会オリジナルグッズトートバッグ 4,950円

関連イベント

詳しくは展覧会公式サイトをご覧ください。

記念講演会「前衛芸術家・草間彌生 創作の軌跡」

講師渋田見 彰 氏(松本市美術館 美術担当係長)
日時4月26日(土)15:00~16:30
会場京都市京セラ美術館 講演室
定員130名(参加費無料)
※先着順、会期中の観覧券が必要

草間彌生カブトをかぶって京都市京セラ美術館へ!

日程5月1日(木)~5日(月・祝)

5月1日付京都新聞朝刊掲載の「草間彌生 版画の世界」紙面を使って「草間彌生カブトを折ろう!
「草間彌生カブト」持参のお子さま(小学生以下)は上記の期間中無料で入場いただけます。
※要保護者同伴(同伴者は別途入場券が必要です)
※カブト1個につき1名様分料金を対象
※年齢確認をお願いする場合がございます

草間彌生さんの南瓜デザインの「おふきmini」セット券

京友禅職人が絹素材に手染めで丁寧に制作した草間彌生さんの南瓜デザインのスマホ拭き「おふきmini」が付いたお得なセット券。「おふきmini」は、本企画でしか手に入りません。

「草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」

「おふきmini」イメージ

料金当日 3,200円、前売 3,000円
販売場所全国のセブンーイレブン店舗内マルチコピー機もしくはセブンチケットWebサイト
※予定数量に達し次第、販売を終了する場合があります。
引き換え場所ご来場当日、会場グッズ引換窓口でお引換えください。
※「おふきmini」のカラーはランダム配布になります。色は選べません。

開催概要

展覧会名松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―
会期2025年4月25日(金)〜9月7日(日)
前期 : 4月25日(金)~6月29日(日)
後期 : 7月1日(火)~9月7日(日)
※本展は、前期・後期で全点を入れ替えます。
時間10:00~18:00(最終入場は17:30まで)
休館日月曜日(ただし4月28日、5月5日、7月21日、8月11日は開館)
会場京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
住所〒606-8344 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
MAP
入場料【前売・団体券】
一般/ 2,000円
大学・高校生/1,200円
中・小学生 /500円
ペアチケット/ 3,800円

【当日券】
一般/2,200円
大学・高校生/1,400円
中・小学生 /600円
ペアチケット/ 4,000円

※前売販売期間:2025年2月28日(金)10:00~4月24日(木)23:59
※未就学児無料(要保護者同伴)
※団体料金は20名以上
※障がい者手帳等ご提示の方はご本人及び介護者1名無料
(障がい者手帳等確認できるものをご持参ください。)
チケット購入先美術館公式オンラインチケット展覧会オンラインチケットアソビュー!ローソンチケット(Lコード:51513)チケットぴあ(Pコード:687-155)ABCぴあe+(イープラス)CNプレイガイドセブンチケット(セブンコード:108-979)、ARTPASS、京都新聞文化センター ほか
公式サイトhttps://yayoikusamahanga.exhibit.jp/
美術館公式サイトhttps://kyotocity-kyocera.museum/
SNS一覧
主催朝日新聞社、朝日放送テレビ、京都新聞、京都市
特別協力松本市美術館
協力株式会社草間彌生
協賛阿部出版株式会社
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BuzzArt編集部

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