横尾忠則 寒山百得 展が横尾忠則現代美術館にて5月25日から開催
横尾忠則 寒山百得 展とは?
中国は唐の時代に生きたとされる寒山と拾得。世俗から離れ、詩作に耽る一方でぼろを身につけ奇行をはたらく。
しかし実のところ彼らの正体は、文殊菩薩と普賢菩薩であるという̶̶̶ まるでおとぎ話のようなキャラクターに、これまで多くの芸術家たちが魅せられ、筆を走らせてきました。横尾忠則も彼らの在り方に芸術家としての理想像があるとして、およそ1年の間に102点もの絵を描いたのです。
本展は、2022年に横尾忠則現代美術館で開催した「Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道」展に続くものです。
曽我蕭白作品の新たな解釈から始まった横尾の探求は、やがて自由奔放に展開し、時には浮世絵の美人画や白ロシアの浮遊する恋人たち、はたまた一塊になって走るマラソンランナーとさまざまなイメージに寒山拾得の姿を投影していきます。すべて新作、横尾忠則現代美術館では初公開です。画業40年を超えてなおパワーアップする横尾のいまをご覧ください。
横尾忠則 寒山百得 展のみどころ
2019年、横尾は展覧会への参加を機に兼ねてより魅了されていた江戸画壇の奇才、曽我蕭白(1730-1781)と対峙します。蕭白作品から寒山拾得図を選んで翻案し、現代版の新たなイメージを生み出しました。寒山は巻物を、拾得は箒を持った姿で描かれるのが通例ですが、横尾の手にかかると巻物はトイレットペーパーに、箒は掃除機へと現代風に様変わり。
その後繰り返し描かれた寒山拾得図はいまや130 点以上を数えます。今回はその中でも2021 年の9 月から2023年の6月の間に制作された最新作をご紹介します。当初は伝統的な図像に倣っていた横尾の寒山拾得は、あっという間に枠組みを飛び越え様々なシーンに出没していきます。
結婚式の一団、ゴンドラに乗るカップル、ゴールインするマラソンランナーたち。草上で昼食を囲むこともあれば藤棚の下で夕涼みを楽しむ。魔法の絨毯や箒で空を飛び、ついには幾何学的な形の世界へ。制作期間中に横尾が触れた、あるいは降って沸いてきたあらゆるイメージが画面に映し出されています。同じ時代に生きる私たちの既視感をくすぐるものも多く、そのソースに思い至った時などは作品にぐっと親しみもわくでしょう。
本展では制作順に作品を展示していますので、横尾の中の寒山拾得像がおよそ1 年の間にいかに変遷していったかにもぜひご注目ください。
開催概要
展覧会名 | 横尾忠則 寒山百得 展 |
会期 | 2024年5月25日(土)〜8月25日(日) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入場は17:30まで |
休館日 | 月曜日 ※ただし7月15日(月・祝)、8月12日(月・振休)は開館、7月16日(火)、8月13日(火)休館 |
会場 | 横尾忠則現代美術館 |
住所 | 〒657-0837 兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30 |
MAP | |
入場料 | 一般/700円(550円) 大学生/550円(400円) 70歳以上/350円(250円) 高校生以下無料 ※ ( )内は20名以上の団体割引料金 ※ 障害者手帳等をお持ちの方は各観覧料金(ただし70歳以上は一般料金)の75%割引 ※ 障害者手帳等をお持ちの方1名につき、介助者1名無料 ※ 割引を受けられる方は、証明できるものをご持参のうえ、会期中美術館窓口で入場券をお買い求めください |
公式サイト | https://ytmoca.jp/ |
SNS一覧 | |
主催 | 横尾忠則現代美術館([公財]兵庫県芸術文化協会)、読売新聞社 |
協力 | ホテルオークラ神戸 |
※状況に応じて予定が変更になる場合があります。最新情報はウェブサイトをご覧ください
※本展は予約制ではありません
※本展は2023年9月12日(火)~12月3日(日)の期間に東京国立博物館・表慶館で開催された「横尾忠則 寒山百得」展を巡回するものです
Takenaka Kenji
playpark合同会社 代表・クリエイティブディレクター
1983年生まれ。大阪の出版社でデザイナー・編集者として勤務。ECサイト会社などを経て2017年デザイン事務所playparkを設立。2022年にアート、デザイン、エンタメ、クリエティブなど業界のクリエイティブを「発見し、考え、繋げる」をテーマにWEBマガジンBuzzBubble(バズルバブル)をスタートさせる。
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